人生を語らず(101) 漂う者

なんとも寂しい夜じゃないか

人通りもなく灯りも消えて

僕ひとりが取り残されてしまったような

ひとりで飲むほど酒好きじゃないんだ 本当は

だからこんな夜をどうやり過ごせばいいのか

誰か教えてくれないか

どこか遠いところに行ってみるか

夜をぶっとばしてみるか

明け方には海に着くだろう

 

なんとも寂しい夜じゃないか

街が雨に濡れているよ

根を持たない僕の人生はただ漂うばかりで

どこにたどり着くのか僕にもわからないんだ

だから誰か僕を束縛してくれないか

捉まえていてくれないか

後悔を断ち切る方法を知らないんだよ

そいつが分かりさえすれば

もっとましな人生になるだろう