人生を語らず(104) 詩について

何かとり憑かれたように下手な詩を書く今日この頃です。

詩に関心を持ち始めたのは、小学校の5、6年生の頃からだと思います。高校生の頃は必ず1、2冊詩集を携えていましたので意外に年季は古いのです。といって別段、文学かぶれのインテリなんかではありませんでしたが (ってそんなこと、言わずもがな、か)。

さて教育県として名高いわが長野県では(あっもうそんな時代ではありませんね、失礼しました)、『しなの子供詩集』 という県下の小学生の選りすぐりの作品を集めた詩集が発行されていました。今、僕の手元にあるのは、「1966年版 3、4年」 というものですが、その中に実に素晴らしい作品がありまして、それをご紹介したいと思います。

作者は越川和彦くん、小学校4年生です。 (もっとも現在では僕より1つ年が上ですから57、8になりますが)

とうちゃんがんばってな

 

ほこりがたつ、

ガーガー自動車の音の、

うるせえところで働いて、

部長になれた

 

有線放送、

またうるせえ

あんまりうるせえと、

とうちゃんが、

ノイローゼになっちゃう。

 

かあちゃんは、

「また酒のんで来たの」

というけど、

きょう 酒のんで来てもいい。

とうちゃんがんばってな。

[解説] 酒を飲んで帰って来る父親。それを咎める母親。どこにでもある家族風景。そして父を慕う作者の男の子。その心情が小学校4年生らしい言葉使いで、しかし骨太にたくましく描かれている。 (ナ~ンチャッテ)

 

越川くん、おっといけない越川さんは今でも詩を書くことあるのかなあ。どうにも気なってしかたありません。