人生を語らず(122)僕の心の歌 5

 

 

 

 森田 健作  「さらば涙と言おう」

 「おれは男だ」 が放映されたのは中学3年のときでした。その頃、僕にはクラスに好きな女の子がいて、気持ちを伝えられないもどかしさに、日々悶々としていたものでした(笑)。 森田健作演じるところの小林弘二は女の子のことなどに眼もくれず、毎日、宿敵のウーマンリブの象徴みたいな吉川操と対立していさかいが絶えない。自分もあんなふうに、女の子など眼中にない強い男になりたいなぁ、などと恋に悩む中学生は真剣に考えていたのです。

 主題歌 「さらば涙と言おう」 のレコードを買って毎日のように聴いていたある日、兄貴が一言、言いました。 「お前はホント、くだらねぇな」。 まぁ、何と言われようが、その時その時の気持ちを代弁してくれた歌というのは、本人にとっては永遠に不滅なのです。