人生を語らず(196) 花粉症歴15年

花粉症というのは、ある日突然やってくる。去年まではなんともなくたって、今年はわからない。たとえ今年ならなくても来年はわからない。15年前までは、花粉症だと言ってやたらくしゃみをしたり、目が痒いと言ってはしきりに目をこすっている人たちをみて 「おかしんじゃねえの」 と今にして思えば失礼この上ない暴言を吐いていた私でした。

昨日、高校時代の後輩が店に来ました。マスクをしている私をみて「マスター、まさかインフルエンザじゃないでしょうね」 と言う。「いや、花粉症だよ、花粉症」。「そうですか、花粉症ですか。私、花粉症にはなったことがなくて。でもここ2、3日、鼻水でるわ、目が痒いはでまいってます」 「それって花粉症じゃねえのか?」 「え~っ、これが花粉症ですか?」 「喉、痒くないか?」 「よくわかりますね。そうなんですよ。喉の奥が痒くて痒くて」 「お前ねえ、それ完璧花粉症だから」 「だ、だけど去年までなんともなかったんですよ」 「だからぁ、花粉症はある日突然やってくるの、わかった?」