人生を語らず(197) 僕の履歴書①

僕はおよそ組織というものに向かない性格です。組織に見切りをつけて個人事業主になったのが42のときですから、以来18年、細々ながら自由業に身をおいているわけです。

クラスメイトが就職活動に駆けずり回っている大学4年のときも、僕は西新宿のアパートでゴロゴロしているばかりで、待ち合わせの居酒屋でみんなが「本日の成果報告会」的討議をしているときもひとりかやの外でした。

しかし、お金を稼げる知識も技術も持ち合わせているわけではなく、とりあえずここはどこかの会社にもぐりこんで、本当は何をしたいのかそこでじっくり考えればいいやなどという、不届き千万な考えで地元の小さな建設関連の商社に就職しました。

僕が不本意な就職をしたのには実は大きな理由がありました。僕には高校時代からつきあっている彼女がいて、結婚を誓い合っていたのです。

さて、半年もしないうちに、ある事件が襲いかかり、僕は早くも軌道修正をせまられる事態に陥りました。この続きはまた。