人生を語らず(26) 自由と孤独と

 自由と孤独と

 

 僕を取り巻く状況は すっかり変わってしまったけれど

 この居心地のよさときたら申し訳ないほど 

 僕はずっと自由を求めてきた

 そして今僕はその自由を享受している

 しかし自由であることは同時に孤独だということも知らなければいけない

 人は誰も自由に憧れるが 孤独を恐れてもいる

 だからこの二つをたえず両天秤にかけてどこかで折り合いをつけている

 僕が今の生活に居心地のよさを感じるということは

 どうやら孤独を受け入れたと言うことらしい

 その引きかえに手に入れた自由は孤独を恐れたときに失われるだろう

 しかし今はことのほか、気分がいい

 もう少しこのままでいさせてくれないか