マスターの独り言(69)師走は師走

 僕が子供の頃といえば、今時分は雪が積もっていたものです。年々、雪が少なくなって、生活するにはとてもいいのですが、信州らしい風情がなくなるのはやっぱり寂しい気もします。それから昔は、年中無休、24時間営業なんていうコンビニもありませんでしたし、初売りは3日からというのが当たり前で店などどこも閉まっていたものです。だから正月に備えて、食料品など大量に買出ししたのですが、今はそんな買出しなどしなくたっていつでも買える、便利な世の中になりました。

 しかし、世の中がそんなふうに変わったとは言え、年末になると車の数が急に増えるのは、毎年の見慣れた光景です。やはり師走は師走、ということなのでしょうか。そうそう昨日、お客さんたちと 「スキー」 の話しで随分、盛り上がったのですが、その昔、今頃は長野駅にはスキーをかついだ都会の若者で溢れていました。長野から志賀高原や野沢温泉のスキー場に向かう人たちで電車の中だって、今では到底想像もできないくらい混んでいたものです。今ではスキーをかついでいる人などついぞ見かけることなどありません。なにしろ国鉄(当時はJRではなく日本国有鉄道です)の電車が私鉄の長野電鉄線に乗り入れて、東京から直接、湯田中駅(志賀の玄関口)に行けたのですから驚いてしまうではありませんか。

 時代は変わるのです。しかし年の瀬が近づくにつれ、なにやら人の心が慌しくなっていくのは、今も昔も同じような・・・。師走は師走、ということなのですかねぇ。