マスターの独り言(8)武器は情熱

 フォーク酒場というのが「流行」らしい。実のことを言うと、全国のあちらこちらにこの種の店があるということを、『拓郎age』をオープンしてから知った次第。僕が知っていたのは札幌の『居酒屋拓郎』さんだけでした。従って、他のお店を参考にするということも全くありませんでした。いくつものフォーク酒場を訪ね歩いているというお客さんのほうがはるかに事情に詳しく、店主の面目丸潰れ、の日々が続いています(笑)。もっとも事情に詳しかったら、おそらく店を立ち上げようなどとは金輪際、思わなかったに違いありません。なにしろこの店の主ときたら歌もギターも下手くそ、とても人前でパフォーマンスできるしろものではないんです。この店主の武器と言ったら、そう吉田拓郎への思い入れ、70年代フォークへの愛着、もっと言えば情熱だけなんです。そんなだからこそ、暴挙ともいえる田舎町でのフォーク酒場の立ち上げになったんだと思います。「マスターは下手くそ」、これが『拓郎age』の個性です。それは詭弁だ、などと言わないで下さい。まぁ、こんな店が全国に一つ、二つあったっていいよね。ゴメン、これマスターの独り言。