人生を語らず(94) あれから3年

あれから3年

あれから3年

あなたにとってどんな月日だったのか 僕は知らない

深い結びつきだと思っていたけれど 崩れるときはあっけなく

終わってみれば すべてが幻のようで

二人過ごした日々が遠い記憶のかなたに消えてゆく

 

あれから3年

あなたの望んだ幸せを手にしたのか 僕は知らない

あなたとの日々をそれこそたまに思い出すことはあっても

懐かしさをもはや感じることもない

不確かな記憶はさらに曖昧になってゆくだろう

 

あれから3年

風の便りひとつ聞くでなく あなたの安否を僕は知らない

偶然どこかで鉢合わせしたって声をかけたりはしない

僕たちにとって確かなことは

お互い重かった肩の荷を下ろしたということ

   愛の最終章は涙なんかじゃなくて 一陣の風

   風に乗って舞い上がり 影も形もなく遠い空に消えてった