人生を語らず(157)  Fと禁煙

ギターを弾こうと思った人ならたいてい経験すると思うのですが、やっかいなのはFコードです。瞬時にあの指の形をとり、なおかつキレイな音を出すなんて、とうてい不可能だろうと弾き始めの頃は誰しも思うものです。Fでつまづいてギターを断念した人も意外に多いのではないでしょうか。ところが悪戦苦闘を続けていたある日突然、それこそ突然、弾けたではありませんか。指がスムースに動き、音もキレイ、「やったな、おい!」とそんな感じでした。

さて、つい最近このFが突然弾けたと同じような経験をしました。それはタバコです。もちろん、このブログで禁煙宣言をするような暴挙には出ませんが、ある日突然、それこそ突然、禁煙しようなどという気はさらさらないにも関わらず、ニコチンへの欲求が失せたのです。これまでの喫煙人生、何度も禁煙に挑戦し、1年、あるいは10ヵ月と耐えたこともあったのですが、吸いたい気持ちを抑えるのに必死でした。この必死さがまるでないまま、早、1週間。いったいこれはどうしたことだ?! このまま脱喫煙人生に突入するのか・・・

悪戦苦闘のF、悪戦苦闘の脱ニコチン依存。なんら相関関係はありません。ところが僕にとっては「その日」が突然来た、という意味でまったく同じ経験なのでした。もっともお客さん言わせると、「マスター、よほどカラダ悪いんじゃないのか? 人間ドック、人間ドック」とのことです。