僕の拓郎論(1)

 僕は評論家ではないし、コムズカしいことを言うつもりもさらさらありません。ただ、思い当たることをチョット書いてみようかな、とそんな心境です。

 『旧友再会フォーエバーヤング』の歌詞の一節に「マッターホルンがまだなんです」とあります。それから同じように『ウィンブルドンの夢』の歌詞には「ウィンブルドンにも出たかったよね ワールドカップも出たかったよね」とあります。ここに出てくるマッターホルン、ウィンブルドン、ワールドカップ、これらの言葉は「夢」の比喩だと僕は思っています。まだ夢に届いていないんだよ、夢を追い続けたかったんだよ、という男の寂しい胸の内をこうした比喩でサラリと表現しているんだと僕は勝手に解釈しています。何かこんなところに拓郎の真骨頂を見るのは僕だけでしょうか。メロディもさることながら拓郎の詞に託されたメッセージこそ僕を魅了し続けてやみません。