人生を語らず(69) 大殺界

 恋に悩む青年が活路を見出そうと、ワラをもつかむ思いで、さまざま本を読み漁ったそうです。そして 「占いを信じているわけではないのですが 」 と前置きしながら六星占術にまで手を出したと言っていました。 「これが意外にあたっているんです」 と彼の感想。 「ちなみにマスター、生年月日を教えてください」 と言って何やら携帯電話を操作し始めました。 「ひぇー、マスター、大変ですよ。マスターは今、大殺界のド真ん中ですよ」 と言うではありませんか。 僕とて占いなど元より信じているわけではないのですが、おもむろにそう言われると何やら心がざわついてきたのは確かです。 「う~ん、そう言えば思い当たることいっぱいあるな~」 と僕の感想。

 しかしまぁ、僕はこの種の占いだとか、あるいは血液型性格判断だとか、そういう類のものを信じているわけではないので一向に気にならないのですが、仮に大殺界だとしたら、今が最悪というわけで、それはつまりこれからは良くなるということですから良い事ではありませんか、ねぇ、みなさん。